【今日のハチミツ、明日の私】あらすじ感想

読んで良かったおすすめ本

内容のネタバレありなので、
嫌な方はお気を付け下さい。

主人公は三十歳の女性。
付き合っている彼との結婚が、
なかなか進まない状況。
彼は絵を描いているけれど、
それで食べていく事は出来ず
生活のための仕事は続かない。

そんな状況の中、
彼の実家のある場所へ一緒に引っ越した。
この事から物語は始まる。
実家を頼ってそこの仕事をしても、
彼には辛いだけの毎日だった。

一方主人公の女性は、
彼の親にも認められず無理難題を
押し付けられる。

彼女は一人暮らしのための安いアパートを
何とか見つけ、
この地域での知り合いも出来ていく。

彼女には、いじめを受けていて
心救われた、ある思い出があった。
その思い出に関わるのが、この本の題名の
ハチミツ。

付き合っている彼の父から借金をしている、
養蜂家の男性がいる。
「この男の家に行って
借金を取り立ててこい」と言われた彼女は、
この人の仕事である養蜂に興味を持つ。

そして頼み込んで弟子として仕事に入り、
養蜂の世界について少しずつ覚えていく。
遠い記憶の中にあったハチミツの思い出が
この仕事に興味を持つきっかけとなった。

印象に残ったのは、この物語のヒロインが
とにかく逞しい。
生きる力に溢れている。
思わず全力で応援したくなる。

ミツバチと関わる仕事についても詳しく
描かれていて、知らなかった世界を
知る事が出来た。
ハチミツを使ったメニューも色々と登場。
これ食べてみたいというのが多かった。

主人公の恋愛はハッピーエンドにはならない。
誰かと別の恋愛が始まるという話でもない。
でも物語の終わり方に暗さは微塵もない。

主人公を取り巻く登場人物達も
なかなか濃いキャラクターの人が多くて、
その人間模様にも
考えさせられたり感動したり・・・

薄い目の本だけれど、
内容には色んな要素がぎっしり詰まっている。
読み終わった時の満足感は大きかった。

今日のハチミツ、あしたの私 (ハルキ文庫)

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