ネタバレしない程度にあらすじ。
主人公は30歳のOL。
一人暮らしで、料理は苦手。
お酒が好きで、コンビニ弁当と缶ビールで
生きているような生活。
それなりに楽しく生きてる感じ。
今は婚活中でもある。
そんなある日彼女は、父親からの頼みで
台湾からの留学生の女の子と
しばらく一緒に暮らすことになる。
部屋を提供する代わりに料理は全て
その子が担当するという条件に、
ついつられてOKしたような感じだった。
生活が始まってみると、
その子はかなりの料理上手だった。
食生活はガラリと変わる。
この二人それぞれの人生に起きる出来事、
それに関わる人達を巻き込んで物語が進んでいく。
主人公視点で見ると、人見知りな性格の自分が
初対面の女の子との生活。
うまくいくのかという不安もあり、
台湾料理が食べられるという楽しみもあり。
期待と不安が両方といった感じ。
実際に一緒に暮らし始め、
食生活がガラリと変わって、
そこに楽しみを見出していく日々。
この事に加えて、他にも色々と
人生の変化がやってくる。
婚活の行方。
職場内の、あまり望まない変化で
仕事が大変になる経験など。
留学生の女の子視点で見ると、異国での生活。
主人公とはまた違う意味での期待と不安。
大学での友達との関わり。
人のために何かをしてあげたいという気持ち。
自分のために何をするかということ。
短い期間にも様々なことが起きて、
誰かの言葉をヒントにして、
今まで気がつかなかった何かに気がついたり、
内面的にも変化があった感じに見える。
望むことも望まない事も含めて、
誰にでも起きうるような人生の様々なことが
降りかかってくる中、
どちらもたくましく生きている。
主人公の会社の上司、留学生の女の子の友達その他、
二人の周りにも色々な人達がいて物語に関わってくる。
中心となる二人はもちろん、
他の登場人物もそれぞれに皆んな個性的で魅力的で、
なんか好きにならずにはいられない感じ。
すごく応援したくなる。
読み進めるほどに、人間って愛おしいと思う。
それと、やっぱり美味しい食べ物は人の縁を繋ぐ。
これを思って読んでいると楽しくなる。
作中に、美味しい台湾料理、お茶、お菓子も
たくさん登場する。
私は台湾には行ったことがないし、
台湾の食べ物というと旅行に行った友人からもらった
お菓子ぐらいしか知らなかったけど
(パイナップルの入ったそれはすごく美味しかった)
この本読んでると無性に台湾料理が食べたくなってくる。
食べ物の食感、香りまで伝わってくるような描写が素敵。
台湾のお茶も美味しそう。
お茶なら失敗も少なそうだし、
お茶から試してみたいかなと思う。