以前単行本で読んでいて、
映画化されたものも観にいったことのある
この作品。
アガサクリスティーの代表作。
ハヤカワジュニアミステリーは
今のところ10冊ほど出ているようで、
この本の前に1冊ミスマープル物を読んだ。
今度はポアロ物を1冊読んでみたくて
これを買っってみた。
原作の雰囲気を損ねる事なく
読みやすく書き直された、
小学校高学年から中学生に向けのシリーズ。
子供の頃、学校の図書館にあった推理小説を
夢中になって読んだのを懐かしく思い出し、
その頃に戻った気分で読んでみた。
ミスマープルシリーズと同じく、
この本も原作の雰囲気がそのまま
伝わってくる。
最後のポアロの謎解きの部分が、
原作と比べると短く簡単にまとめられていて
もう少し詳しく書いて欲しい感は
あったけれど・・・
登場人物が沢山出てくるのを、
最初のページの人物紹介でイラスト入りで
わかりやすくまとめてくれているのは
読みやすい。
オリエント急行の走るルートを地図で
描いてくれているのも嬉しい。
それぞれの人物のキャラクターや、
人物同士の関係、昔あった事件との関連などは
原作そのままの雰囲気で伝わってきた。
前の1冊を読んだ時も書いたけど
このシリーズは、子供だけでなく
普段あまり本を読む習慣がない大人でも
楽しんで読めると思う。
ストーリーは、
最後を言うとこれから読む人にとっては
全く面白くなくなるので途中までを
話してみる。
豪華寝台車オリエント急行。
ポアロが乗る事になったこの列車には、
この時様々な国籍、階級の人達が乗っていた。
しかも、こんなに満員になる事は普段ない時に
何故か満員でだった。
この事も、事件の謎を解く1つの鍵。
殺された男は・・・
一見裕福で穏やかに見える老紳士だが
その顔や雰囲気を少し観察しただけでも
とても好感を持てるような人物では
ない事がわかる。
命を狙われているので護衛をしてくれと
頼まれたポアロはその仕事を断った。
その後すぐに殺人事件は起きる。
一人ずつ、乗客全員の話を聞いて
推理を進めるポアロ。
ポアロとは顔見知りの国際寝台車の重役ブークと、
医師のコンスタンティンが
この謎を一緒に考える。
わざと残されたようにも見える、
いくつもの現場に残された証拠。
それぞれが他の者アリバイを証明してみせる。
しかし外部の者の犯行はあり得ない状況。
誰かが嘘を言っているのか?
何人かに目撃された犯人らしき人物の
特徴はその通りなのか?
一見無計画で感情的な犯行に見えるこの事件が、
実は周到に計画されたものだとポアロは見抜いていく。
そして、
もう一つの過去の事件の話が大きく絡んでくる。