戦いの裏側
この巻の見どころは、秦国軍対魏国軍の戦いの中で、
登場人物一人一人の背景が丁寧に描かれているところ。
どんな過去があって、何を思い、今があるのか。
秦国側だけでなく敵国側の武将に関しても、その人物像が
はっきり見えてくるように描かれている。
これもキングダムの大きな魅力の一つ。
ただ戦があって勝った負けただけではなくて、登場人物
それぞれの、一人の人間としての部分も見えてくるところが
キングダムの魅力で、ビジネス書としても人気がある理由
だと思う。
戦略という部分ででも、
35巻から続いてこの巻は見どころが多い。
王賁の策
35巻から続く内容。
著雍をとらんとする秦国と、取られまいとする魏国。
魏国の呉鳳明の師匠にあたる霊凰は、
騰の首をとるために自ら出陣する。
秦国側の王賁の策は
主攻を玉鳳隊、録嗚未隊、飛信隊の三隊として、
それぞれの連携は取らずに、
同日同刻に敵側の要所三点を撃破するというもの。
それぞれに戦って目前の敵軍、予備軍を突破し、
ただ一つの約束事は、三日目の昼、魏軍本陣に
突入すること。
戦いが始まり、三隊の息は不思議と合っていた。
河了貂の窮地
戦いの中、敵国側の軍師荀早に、貂が拉致されてしまう。
羌瘣が助けようとしたが届かず、貂がさらわれる前に
叫んだ事を頼りに羌瘣は荀早をさらう。
それができたために結果的に、人質交換が成立して
貂は飛信隊に戻ることができた。
荀早がそれだけ魏国軍にとって重要な存在だという事だ。
貂が無事に戻った事は良かったものの、
飛信隊は初日からこれでつまずいてしまった。
ここからどう巻き返せるかというところ。
王賁と紫伯の戦い
玉鳳隊は、初日で敵前線を完膚なきまで叩いた。
これを突破した玉鳳隊は、
2日目で敵予備軍の第一陣を突破しつつあった。
ところが、このままでは終わらなかった。
二日目、玉鳳隊は、魏国の紫伯軍に敗れる事となる。
王賁は、関常の働きで何とか脱出できたものの
魏国軍の槍使い紫伯との戦いで重傷を負ってしまった。
大将の騰は、若い力のこれからの台頭について語り、
この戦いがそれを見る事になる重要なものになると言う。
今回の王賁の策も、高く騰は評価していた。