前62巻からの続きで
秦国は今、趙国を攻めている。
これまでの流れは
楽華隊は王翦軍に入り、
玉鳳隊は桓騎軍に入って戦った。
最も攻めにくい影丘を抜くのが、
玉鳳隊の役目。
それまで待機していた飛信隊は、
玉鳳隊が全滅に近いところまで潰された後
援軍としてここに送られる。
王賁からの情報で、
攻めやすい場所には狩場が用意されている事を
知った飛信隊はもっとも攻めにくい場所である
切り立った崖を登る。
63巻は、
ここからの飛信隊の戦い。
それと並行して桓騎軍本陣の動き。
この二つの場面が交互に出てくる。
桓騎軍本陣では、
あまりにも無謀に見える桓騎の戦のやり方に
側近の摩論でさえ本気で逃げようかと考える。
元々他の軍と違って、
桓騎軍は忠誠心などは持ち合わせない者も多い。
厳しい戦いになってから、
実際に逃げる者も出てきていた。
逃げようかと考えていた摩論に桓騎が話かける。
この内容が何だったかはまだ不明。
雷土は桓騎を信じて戦いに出る。
桓騎軍右翼の将として戦う中、
オギコからの伝令で桓騎の言葉を聞く。
雷土軍は、敵左翼の将 龍白公の息子を
捕らえて殺す。
そしてそれをエサにおびき寄せた龍白公を
討った。
しかしその後敵の大軍が押し寄せて、
雷土と側近二人は逃げるのが間に合わず
敵に捕らえられたしまう。
扈輒のところに連れてこられた雷土は、
壮絶な拷問を受けるが
桓騎の作戦を決して言わなかった。
飛信隊の歩兵達は、
垂直に切り立った崖を登っていく。
敵は上から石を落とし、矢を打って妨害。
それでもこれを突破して登り切り、
狩場を潰していく。
その後に騎馬隊も続いて登っていく。
それでも敵軍の数は多く、
途中で攻撃の勢いが止まりかけた場面も。
その後
待機していた亜花錦の隊が参戦したのもあり
飛信隊は勢いを取り戻す。
信はついに、敵の右翼の将 岳白公を討つ。
飛信隊は、
不可能と思われていた影丘攻略を果たす。
印象に残る場面が今回も多かった。
まず一つは雷土と桓騎の間にある絆。
桓騎の作戦の内容を雷土は知っていたのかも
しれない。
オギコからの伝令の内容がそうだったのか。
桓騎が摩論に伝えた内容も、
もしかしたらその事だったのか・・・
最後に「お頭ともう少ししゃべりたかった」
という雷土の言葉が印象的。
どんなことがあっても口を割るなとは
桓騎は言わないだろうと、雷土がいうのも
実際その通りなのではないかと思う。
桓騎軍には、忠誠心とか武将の誇りとか
大義といったものは存在しない。
それでも桓騎の事を慕い、
無理に言われたわけでもないのに
桓騎を信じてついてくる仲間がいる。
摩論と黒桜が同時に何かを感じた場面。
あれが雷土の最後だったのかもしれない。
飛信隊の活躍の場面も本当に印象的だった。
断崖絶壁を登っていく歩兵達。
崖の上の方まで行くと、
垂直どころか逆に反り返った恐ろしい場所。
落ちたらもちろんそれだけで命を落とすし、
上には敵がいくつもの狩場を作っている。
そんな中を、
あきらめず登り切った飛信隊の歩兵達は
本当に強い。
先に戦った玉鳳隊。
戦場で王賁を見つけた信。
これを救出した羌礼。
命まで危うかった王賁が、
敵の狩場について飛信隊に情報を伝えた事、
飛信隊、羌瘣隊の活躍。
別動隊の亜花錦の活躍。
信が、強敵である岳白公を討った事。
全てが合わさって影丘攻略が成し遂げられた。
一騎打ちに近い信の戦いも壮絶だった。
岳白公は、並外れて巨体で怪力なだけでなく
信が今までに見た事のない体術を使う。
その体術のせいで、信の矛は避けられてしまう。
岳白公のスピードについていくには
矛では無理だと思った信は、尾平に矛を預け
久しぶりに剣を持って戦う。
これに対し岳白公も武器を剣に変える。
信は、矛より速さで勝る剣で相手の動きを止める。
そして最後に、尾平と昴が投げた矛を受け取って
岳白公を剣ごと両断した。
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