自営業者の日常雑記 見えない檻 後編 塀に沿って、私と明日香ちゃんはひたすら進んだ。最初は必死で走ったけれど、ずっと走っていては体力がもたない。まだ追手が来る様子も無いので、途中からは歩いた。時刻は深夜なので、全ての住居が明かりを消していて、辺りはシーンと静まりかえっている。私... 2024.08.02 自営業者の日常雑記
自営業者の日常雑記 見えない檻 中編 高層ビルみたいなもっと高い建物を想像していたけれど、全然違っていた。広々として緑豊かな美しい庭の中を歩いていくと、二階建ての木造の建物が見えた。鉄筋コンクリートとは違う感じ。鉄筋コンクリートが一番耐震性もあるし素晴らしいと教わってきたけど、... 2024.08.01 自営業者の日常雑記
自営業者の日常雑記 見えない檻 前編 呼び出し音が鳴っている。私は椅子から立ち上がって、玄関まで行った。狭い集合住宅の部屋の中で、わずか数秒で行ける距離。ドローンが配達してくれた食料の箱を持って部屋に戻る。常温の方と、青いシールの方が冷蔵庫に入れる方。それが済むと、再びパソコン... 2024.07.31 自営業者の日常雑記
自営業者の日常雑記 妖獣ねこまた 後半 8月6日あの事件から2日経ったけど、やっぱり何も報道されない。調べが入るため立ち入り禁止になって、どうせあの場所には入れないし、タネ婆さんも茜さんも避難所である俺の家に戻っている。あの時は、相手も二人を甘く見て油断してたけど今回の事で、同じ... 2024.07.10 自営業者の日常雑記
自営業者の日常雑記 妖獣 ねこまた 前編 天気の良い日でも夕方になると急に冷え込んでくる。吹く風の冷たさに、季節が秋から冬に変わりつつあるのを肌て感じる。けれど、雪が降って本格的な寒さがやってくるのは、まだ少し先だ。そんな秋の日の夕方、学校からの帰り道で、和人はそれを見つけた。舗装... 2024.07.04 自営業者の日常雑記
小説 色のない街と夢の記憶 小説 色の無い街と夢の記憶⑧ 興味の対象が他の方に行き始めると、それと比べて学校は今まで以上に面白くない場所になった。けれど、それに気がついた事は良かったのかなとも思う。面白くないと思いながら学校しか知らないよりも、他の世界があることを知った。自分の世界が一気に広がった... 2023.08.01 小説 色のない街と夢の記憶
小説 色のない街と夢の記憶 小説 色の無い街と夢の記憶⑦ 何とか少しずつ起き上がれるようになり、お風呂に入ったり、食べられるようになると元気が出てきた。学校にも行けそうかなと思って、とりあえず向かってみた。無理だったら戻ればいい。そう思ったらかえって気が楽で、行くことができた。元々目立つ存在ではな... 2023.07.17 小説 色のない街と夢の記憶
小説 色のない街と夢の記憶 小説 色の無い街と夢の記憶① 「新しくできたこのシステムによって、個人個人のデータを分析、犯罪を犯しそうな人を見つけます。そして、実際に何か起きる前に、いち早く逮捕してくれるのです。このおかげで私たちの安全は守られています。皆も知っている通り、個人のデータは信用スコアと... 2023.05.17 小説 色のない街と夢の記憶自営業者の日常雑記